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住宅ローン 変動 vs 固定 2026 金利上昇局面

2026年6月7日 ・ 複利コンパス編集部

資産形成・家計改善・お金の学びノート

※本記事には広告が含まれます。

2024年以降、日銀は段階的に政策金利を引き上げ、住宅ローンの変動金利もじわじわと上昇している。「今のうちに固定に切り替えるべき?」という質問を、読者からも頻繁に受けるようになった。答えは「あなたの家計と残り返済期間次第」なのだが、その判断軸を数字で整理できている人は意外と少ない。今回は2026年6月時点のデータをベースに、変動・固定それぞれのコスト構造をフラットに見ていく。


2026年の金利環境:何がどう変わったのか

2024年3月に日銀がマイナス金利を解除し、2025年にかけて政策金利は段階的に引き上げられた。2026年6月時点では、主要行の変動金利型住宅ローン(店頭基準金利から優遇後)はおおむね0.8〜1.2%台に達している。2021〜2022年の最低水準(0.3〜0.5%台)と比較すると、実質的に2倍前後の水準まで上がってきた。

一方、フラット35などの長期固定金利は、2.0〜2.5%前後で推移している。変動と固定の金利差は依然として1.0〜1.5ポイント程度あり、「今すぐ固定に切り替えると損」という主張も根強い。ただし、この差が縮まる速度と家計のリスク許容度を掛け合わせないと、単純比較は危険だ。

金利の動向を決める主なファクター

市場のコンセンサスとしては、2026〜2027年にかけてさらに0.25〜0.5ポイント程度の追加利上げを織り込んでいるシナリオが多い。ただし、これはあくまで市場予測であり、「必ず上がる」とは言い切れない。

📌 このセクションのポイント - 変動金利は2021年比でほぼ倍の水準まで上昇 - 変動と固定の金利差は2026年6月時点でまだ1〜1.5ポイント程度残る - 今後の利上げは「あり得る」シナリオだが、確定ではない


数字で比較:3,000万円・残25年で月々いくら変わる?

抽象論より具体的な数字で見よう。借入残高3,000万円、残り返済期間25年を前提に試算する。

金利タイプ 適用金利 月々返済額 25年総支払額
変動(現状) 1.0% 約113,000円 約3,390万円
変動(+0.5%上昇) 1.5% 約120,000円 約3,600万円
変動(+1.0%上昇) 2.0% 約127,000円 約3,810万円
全期間固定 2.3% 約132,000円 約3,960万円

※元利均等払い、ボーナス払いなし、各時点で金利固定と仮定した概算値

この試算から読み取れるのは、「変動が今後+1.0%上昇してもなお、全期間固定より月々約5,000円安い」という現実だ。ただし、変動金利は毎回の見直しで上昇リスクが継続するのに対し、固定は支払額が確定するという安心コストが含まれる。どちらが「得か」ではなく、「自分にとって何が重要か」の問いに置き換える必要がある。

もう一つ見落としがちなのが、借り換えコストだ。現在変動で借りている人が固定に切り替える場合、抵当権の変更や手数料で50〜100万円程度かかるケースもある。この費用を回収できるかどうかも計算に入れたい。

📌 このセクションのポイント - 変動+1.0%上昇でも月次コストは全期間固定より低い場合がある - 固定には「金額確定」という心理的・家計管理上の価値がある - 借り換えコスト50〜100万円を回収できる期間・差額かどうか確認が必須


変動・固定それぞれが「向いている人」の構造論

金利どちらが有利かは、正直なところ「将来の金利次第」であり、誰にも断言できない。だからこそ、自分の家計構造に合わせた選択軸を持つことが重要だ。

変動金利が向いているケース

固定金利が向いているケース

私自身はフリーランスなので、仮に住宅ローンを組むなら固定を選ぶと思う。収入の変動が大きい分、支出は確定させておきたいというのが正直なところだ。

📌 このセクションのポイント - 残り期間と手元流動性の2軸で向き不向きが大きく変わる - フリーランス・自営業は収入変動リスクと金利変動リスクの二重負担を避けることを優先したい - NISAなどで運用中の場合は繰り上げ返済との「機会費用」比較も必要


「今すぐ切り替え」より先に確認したい3つの数字

金利が上がると聞いて反射的に固定への借り換えを検討する人は多いが、まず以下の3つを自分の家計で把握してほしい。

① 現在の実質金利と残債・残期間

自分が何%で、残りいくら・何年を返しているか。意外と把握できていない人が多い。月次明細か銀行のアプリで確認しよう。

② 金利が1%上昇した場合の月次インパクト

残債と残期間を入力できる住宅ローンシミュレーターで計算できる。「1%上がったら月額いくら増えるか」を数字で知っておくと、パニックにならずに済む。

③ 手元の流動資産(すぐ使える現金)

金利上昇時の「繰り上げ返済バッファ」として機能する。一般的には残債の10〜20%程度を流動資産として持っておくと機動性が上がる。3,000万円の残債なら300〜600万円が目安だ。

この3つを把握した上で、固定への切り替えに必要な手数料と差額を比較する。それでも判断が難しい場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)への相談を検討する価値がある。複利コンパスでも紹介しているが、初回相談無料のサービスを活用するのが最も費用対効果が高い。

住宅ローン相談・借り換え比較はこちら

📌 このセクションのポイント - 「実質金利・残債・残期間」の3点を先に数字で把握する - 金利1%上昇時の月次インパクトをシミュレーターで事前計算しておく - 手元流動資産が残債の10〜20%未満なら繰り上げ返済バッファが薄い状態


借り換えよりも先にやるべき:金利交渉という選択肢

見落とされがちなのが、現在の借入先への金利交渉だ。特に変動金利で10年以上返済を続けている人は、返済実績という信用スコアが上がっている。他行の金利条件を取得した上で、現在の銀行に「借り換えを検討している」と伝えると、優遇幅の拡大や金利の見直しに応じてくれるケースがある。

実際に交渉で0.1〜0.2%の引き下げに成功した例もある。残債2,000万円・残20年であれば、0.1%の差額は総返済額で約20万円に相当する。手数料がゼロで済む交渉から始めるのは、合理的な順序だ。

交渉の手順はシンプルだ。

  1. 複数の銀行・ローンサービスで借り換え仮審査を取得(ネット銀行は比較的スピーディ)
  2. 現在の銀行の担当者にアポを取り、他行の条件を提示する
  3. 「継続利用したいが、金利条件が折り合えば借り換えも検討する」とフラットに伝える

強引に迫る必要はない。数字を示して淡々と交渉するのがコツだ。

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📌 このセクションのポイント - 借り換え前に現在の銀行への金利交渉を試みることが費用ゼロで最も効率的 - 他行の仮審査結果を交渉材料として活用する - 0.1%の引き下げでも残債規模によっては数十万円のコスト削減になる


Misaki の一言:「答えは金利ではなく、家計の構造にある」

金利の動向を完璧に予測できる人はいない。2024年初頭には「ここまで速く利上げが進む」と見ていた人も多くなかった。だからこそ、「変動か固定か」という問いを「どちらが得か」で考えるのではなく、「自分の家計がどちらのリスクをより吸収できるか」で考えてほしい。

手元に流動資産があり、繰り上げ返済で機動的に対応できるなら変動のコスト優位を活かす選択もある。収入が不安定、または支出を固定して精神的な余裕を確保したいなら固定の安心コストはペイする。

住宅ローンは、多くの人にとって人生最大の借入だ。周囲の声やニュースの見出しに流されず、自分の数字と向き合う時間を30分でも作ってほしい。その30分が、数十万〜数百万円の差になる可能性がある。

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この記事はあくまで情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・借り換えを推奨するものではありません。個別の判断はご自身の状況に合わせて行うか、FP・金融機関への相談をご検討ください。