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住宅ローン 変動 vs 固定 2026 金利上昇局面

2026年6月14日 ・ 複利コンパス編集部

資産形成・家計改善・お金の学びノート

※本記事には広告が含まれます。

日銀が利上げ路線を継続している2026年、住宅ローンの金利選択は2020年代初頭とは明らかに異なるフェーズに入っています。変動金利はまだ固定より低いものの、その差は縮まりつつあり、「取りあえず変動で」という判断が通用しにくくなってきました。この記事では、現時点の金利水準・返済シミュレーション・リスク構造を整理し、あなた自身が選択基準を持てるようにデータで解説します。


2026年の金利水準:変動と固定の差はどこまで縮まったか

2026年6月時点、大手銀行の住宅ローン主要金利は概ね以下のレンジで推移しています(各行の公表値をもとにした参考水準です)。

種別 目安金利(年率)
変動金利(店頭基準) 年2.475%前後
変動金利(優遇後・高属性) 年0.4〜0.7%程度
固定10年(フラット等) 年1.7〜2.0%程度
全期間固定35年 年2.3〜2.7%程度

2021年時点では変動優遇後が0.3%台、全期間固定が1.3%台というケースも珍しくなく、差は1ポイント以上ありました。2026年現在、その差は縮小傾向にあります。変動が依然として低い状態には変わりませんが、「もし変動がさらに0.5〜1.0ポイント上昇した場合のリスク」を無視できなくなってきたのが今の局面です。

住宅ローンの変動金利は短期プライムレートに連動し、日銀の政策金利の動向を直接受けます。日銀は2024年から段階的に利上げを実施しており、2026年内にさらなる引き上げが議論されているのが現状です。過去30年の「超低金利神話」は終わりつつある、とまず認識することが出発点です。

サマリーポイント - 変動優遇後と全期間固定の差は2021年比で縮小しており、単純に「変動が安い」とは言い切れなくなっている - 変動金利は短期プライムレート連動のため、日銀の追加利上げの影響を直接受ける - 2026年現在は「超低金利の終わり」という転換期と認識したうえで選択する必要がある


返済シミュレーション:変動 vs 固定の損益分岐点を計算する

数字で考えることが最も公平です。借入4,000万円・35年返済を前提に、いくつかのシナリオを比較してみます。

ケースA:変動0.6%・固定2.5%で開始、変動が据え置かれた場合

この差は大きく見えます。しかし変動はここから動く可能性があります。

ケースB:変動が5年後に+1.0ポイント上昇し、その後固定で推移した場合

ケースC:変動が3年後に+2.0ポイント、さらに5年後に+1.0ポイント上昇した場合

損益分岐点の目安として、「変動金利が今後35年の平均で固定金利を下回れば変動有利」という構造は変わりません。問題はその「平均」が読めないことと、家計の可処分所得に対して月々の返済増加がどの程度許容できるかです。

Misaki の一言:私がファイナンシャルプランの相談を受けるとき、必ず聞くのは「月の返済が3万円増えたとき、何を削れますか?」という質問です。削れるものがなければ、それはリスク許容度が変動向きではないというサインです。

サマリーポイント - 変動が据え置かれ続ければ、総返済額は固定より1,000万円以上少ないシナリオもある - 変動が+2.0ポイント以上上昇した場合は固定の総支払いを超えるシナリオも現実的になる - 損益分岐点の計算よりも「返済増時に家計が耐えられるか」のストレステストが先


変動・固定それぞれに向いている人の条件

金利選択は「どちらが得か」の前に「自分の家計構造とどちらが整合するか」という問いです。以下に整理します。

変動金利が向いている条件

  1. 繰り上げ返済の原資がある:変動が上昇し始めたときに元本を素早く減らせる流動資産(現金・債券等)が借入の20〜30%程度ある
  2. 収入が安定している:固定給・大企業・公務員など、金利上昇局面でも収入が急減しにくい職種
  3. 残り返済期間が短い:10年以内に完済予定なら、短期の金利上昇リスクは限定的
  4. フルFIRE・繰り上げ完済を5〜10年内に計画している:金利上昇前に完済できるなら変動のほうが総コストは低くなりやすい

固定金利が向いている条件

  1. 収入が変動しやすい:フリーランス・自営業など収入の変動リスクが高い場合、金利リスクも重ねると家計の複雑度が上がりすぎる
  2. 手元流動性が低い:繰り上げ返済の余力がなく、毎月の返済が家計の大半を占める
  3. 精神的コストを数値に換算している:「金利が上がるかも」という不安を感じながら35年過ごすことに対してコストを感じるなら、固定の「確実性プレミアム」は合理的
  4. 返済期間が長い(25年以上):期間が長いほど変動リスクの累積は大きくなる

注目すべきは「フリーランス・自営業なら固定」という判断が、実は2026年時点では特に重要になっていることです。収入変動リスクと金利変動リスクを同時に負うと、ストレス時に家計が崩れやすい構造になります。

サマリーポイント - 変動向きは「繰り上げ原資あり・収入安定・返済期間短め」の人 - 固定向きは「収入変動リスク高め・手元流動性低め・長期返済」の人 - 精神的コストを合理的に換算すれば、固定の確実性プレミアムも十分に価値がある


「ミックスローン」という第三の選択肢

変動か固定かの二択に悩む場合、ミックスローン(一部変動・一部固定で借り入れ)という選択肢もあります。たとえば借入4,000万円のうち、2,000万円を変動・2,000万円を固定で組む形です。

メリットは以下の通りです。

デメリットとしては、諸費用(登記費用・手数料)が2本分かかる場合があること、管理が複雑になること、銀行によってはミックスローン自体に対応していない場合があることなどが挙げられます。

ミックスローンは「どちらに転んでも後悔を最小化したい」という心理的な合理性がある選択です。ただし、管理コストや諸費用の増加分も計算に含めて損益を検討することを忘れないようにしましょう。

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サマリーポイント - ミックスローンは変動・固定のリスクとコストを分散できる第三の選択肢 - 繰り上げ返済を変動側から優先することでリスクを機動的に管理できる - 諸費用が二重になるケースもあるため、手数料を含めた実コストで判断する


金利上昇局面でローン選択前にやっておくべき3つの試算

金利選択の前に、以下の3つを数字で確認しておくことを強くお勧めします。

① ストレステスト:変動+2.0ポイント上昇時の月返済額を計算する

たとえば現在の変動0.6%が2.6%になった場合、月々の返済はいくら増えるか。借入3,000万円・残25年の場合、月々の返済増加は概ね3〜4万円前後になります。この金額が家計に吸収できるかを確認します。

② 流動資産チェック:残高の何%が「すぐに動かせる現金」か

NISA・iDeCoは重要な資産ですが、急な資金需要時には取り崩しに時間・コスト・機会損失が伴います。「純粋な現金性流動資産」が借入残高の20〜30%あれば、変動リスクへのバッファーとして機能します。

③ 完済年齢の確認:65歳・70歳時点での残債シミュレーション

FIRE志向の方は特に、「何歳時点で不労所得が返済額を上回るか」をシミュレーションすることが重要です。変動金利が上昇すると、この損益分岐点の年齢がずれ込む可能性があります。

これら3点を自分で計算することで、「なんとなく変動にしよう」という曖昧な選択から、根拠のある選択に変わります。

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サマリーポイント - 変動+2.0ポイントのストレステストで月返済増加額を先に把握しておく - 流動資産が借入残高の20〜30%あるかどうかが変動リスク許容の目安 - FIRE計画との整合性(完済年齢・不労所得との損益分岐)も事前に確認する


2026年後半の金利動向と選択のタイミング

2026年後半は、日銀の追加利上げの有無が住宅ローン選択の重要な外部変数になります。市場コンセンサスは「2026年内にもう1回の利上げ(+0.25%前後)が実施される可能性がある」という見方が多い状況です。ただし、これは確定した未来ではなく、経済指標・円相場・企業業績等によって変わります。

変動でいく場合の判断タイミング

変動でいく場合、「実際に金利が上昇してきたタイミングで繰り上げ返済や借り換えを検討する」という方針を事前に決めておくことが重要です。金利が上昇してから慌てて動くより、「○%を超えたら繰り上げを実施する」というトリガーを決めておくほうが合理的です。

固定でいく場合の判断タイミング

固定金利も日銀の政策変更予測を受けて上昇傾向にあります。「まだ様子を見よう」と待つと、固定金利自体が上がるリスクもあります。ファイナンシャルプランナーへの相談や、複数の金融機関での事前審査(仮審査)を並行して行い、条件を比較するのが現実的な動き方です。

いずれにせよ、「どちらにするかを悩む時間」それ自体にもコストがあることは意識しておく価値があります。

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サマリーポイント - 2026年内の追加利上げは市場でも意識されており、変動金利の上昇余地は残っている - 変動を選ぶなら「繰り上げ返済のトリガー金利」を事前に設定しておく - 固定を選ぶなら「待つことで固定金利自体が上昇するリスク」も考慮に入れる


まとめ:金利選択は「得か損か」より「自分の家計構造に合うか」

2026年の住宅ローン選択は、2020年代前半の「変動一択」から「構造的な選択」へとフェーズが変わっています。変動は依然として短期的な金利水準は低いですが、不確実性コストが以前より大きくなっています。固定は確実性プレミアムの価値が相対的に高まっています。

どちらが「正解」かは家計の状況・収入構造・資産残高・FIRE計画によって異なります。大切なのは、感覚ではなく3つの試算(ストレステスト・流動資産チェック・完済年齢シミュレーション)を経た上で選択することです。

私自身が住宅購入を検討するとしたら、まず手元の流動資産を確認し、変動+2.0ポイントのストレステストをかけ、それで家計が成立するならば変動、そうでなければ固定かミックスを選ぶという手順を踏むと思います。あくまで自分の家計の数字が判断の主語です。

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Misaki より:住宅ローンは「借りた瞬間に決まる」ものではなく、借りたあとも繰り上げ・借り換えという手段で変えていける構造です。選択時点でのベストを丁寧に検討しつつ、「変えられる余地を残しておく」という視点が、長期的な家計管理では意外に効いてきます。数字を自分で計算してみると、不安が根拠に変わります。ぜひ一度、電卓を叩いてみてください。