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住宅ローン 変動 vs 固定 2026 金利上昇局面――数字で選ぶ「自分に合った借り方」

2026年7月5日 ・ 複利コンパス編集部

資産形成・家計改善・お金の学びノート

※本記事には広告が含まれます。

2026年に入り、日銀が政策金利をじわじわ引き上げる流れが続いています。「変動で借りていたけど怖くなってきた」「今から固定に乗り換えるべき?」――そんな声をよく聞くようになりました。ただ、感情で動くと後悔しがちです。今回は変動・固定それぞれの実際のコスト構造と、2026年時点の金利環境を数字で整理します。「どちらが得か」より「自分にとってどちらがリスク許容範囲内か」を考えるヒントにしてください。


2026年の金利環境――まず現状を把握する

2024年3月にマイナス金利が解除され、2025年以降も段階的な利上げが続いた結果、2026年7月時点では政策金利(無担保コール翌日物)は0.75〜1.00%前後で推移しています(※執筆時点の市場観測値。最新情報は各金融機関でご確認ください)。

この変化が住宅ローンにどう波及しているかというと:

一見「変動の方がまだ低い」のは事実です。しかし重要なのは「これが今後も続くか」という将来予測と、「返済中に金利が上がっても家計が耐えられるか」というバッファの話です。

サマリーポイント - 2026年7月時点、変動0.5〜0.8%台・固定1.8〜2.1%前後が一つの目安 - 政策金利は2024年から段階的に上昇中、追加利上げの余地が残る局面 - 「今が安い」だけでなく「上がったときの家計へのインパクト」で判断する


変動 vs 固定――30年間の総返済額を試算する

数字で考えると議論がシンプルになります。借入額3,000万円・返済期間30年を例に、代表的なシナリオで試算してみます(元利均等返済、概算値)。

シナリオA:変動金利が現状維持(0.6%)のまま

シナリオB:固定金利2.0%で借りる

差額は総額で約720万円。変動が金利0.6%のまま30年間続けば、変動が圧倒的に有利です。

シナリオC:変動が5年後に1.5%、10年後に2.5%に段階的に上昇した場合

実際の変動金利は「5年ルール・125%ルール」があるため急激な返済額増加は抑制されますが、元本の減りが遅くなる点には注意が必要です。ざっくりした試算では:

ポイントは「政策金利が2%を超えてくる局面が何年続くか」によって逆転する可能性が出てくる、ということです。2%超えシナリオが長期化すれば固定との差が縮まり、場合によっては固定の方が総額で安くなる逆転も起こりえます。

サマリーポイント - 現状金利が続くなら変動が有利だが、2%超え長期化シナリオでは固定が有利になりうる - 「5年ルール・125%ルール」は返済額の急増を抑えるが元本減少を遅らせるリスクがある - 総返済額だけでなく「金利が上がったときの月々の差額を家計が吸収できるか」を必ず試算する


「変動を選ぶ人」に必要な3つのバッファ

変動金利を選択すること自体は合理的な選択肢のひとつです。ただし、金利上昇リスクを自分で引き受けることになります。そのため、以下の3つのバッファが機能しているかどうかを確認してください。

① 繰り上げ返済の原資(現金バッファ)

変動で借りた場合、理想は「金利が1%上昇しても生活を維持できる現金フロー+残高の10%程度の繰り上げ返済原資」を常に手元に持つことです。借入3,000万円なら300万円程度の繰り上げ原資が目安の一つ。

② キャッシュフロー余力

月々の返済額が仮に1万円増えても家計が赤字にならないか。共働き世帯なら片方の収入が一時的に下がっても返済できるか。「今の年収で余裕がある」ではなく「収入が20〜30%落ちても耐えられるか」という問いが重要です。

③ 金利変動のモニタリング習慣

変動を選ぶなら、日銀の金融政策決定会合(年8回)の結果と、各金融機関の基準金利改定を半年に1回程度確認する習慣が必要です。放置はリスクです。

Misakiの一言:私自身は賃貸派なので住宅ローンは他人事ではあるのですが、もし借りるなら「変動×繰り上げ返済戦略」を選ぶと思います。ただし変動を選べる条件は「キャッシュフロー余力があること」が大前提。余力がないのに変動を選ぶのは、リスクを取りすぎです。

サマリーポイント - 変動を選ぶなら残高の10%程度の繰り上げ原資と月次キャッシュフロー余力が前提 - 収入が20〜30%減っても返済できるかを必ずシミュレーションする - 日銀会合の年8回を節目に金利動向をモニタリングする習慣をつくる


「固定を選ぶ人」のケースと心理的コスト

固定金利は「保険料を払って確実性を買う」という構造です。総返済額が増える代わりに、返済額が変わらないという安心を手に入れます。固定が合理的な選択になるのは、次のようなケースです。

固定が向いているケース

特に最後の点は侮れません。「金利が上がったらどうしよう」という不安を10〜20年抱え続けることのメンタルコストは、固定との差額を上回ることもあります。経済的合理性だけが判断軸ではないのが、住宅ローンの難しいところです。

2026年の固定金利は「高い」か?

フラット35で2.0%前後は、2000年代後半〜2010年代の超低金利局面(1.3〜1.5%台)と比べれば確かに高い。しかし1990年代の6〜8%台と比べれば歴史的にはまだ低水準です。「今が高い」という感覚は「直近の超低金利期」との比較から来ていることを意識しておくと、冷静に判断できます。

サマリーポイント - 固定は「確実性を買う保険」と捉えると判断が楽になる - 単収・育休中・繰り上げ原資なしの世帯は固定を選ぶ合理的理由がある - 2.0%前後は歴史的に見てまだ低水準。「高い」という感覚は超低金利時代との比較バイアス


変動→固定への借り換えを検討する際のチェックリスト

すでに変動で借りていて「乗り換えを検討すべきか」と悩んでいる方向けに、判断フローを整理します。

Step 1:現在の残高・残期間を確認する

借換えメリットが出やすいのは「残高1,000万円以上・残期間10年以上」の組み合わせが一般的な目安です。残高が少なかったり残期間が短い場合、諸費用(保証料・司法書士費用など)を回収できないケースがあります。

Step 2:借換え総費用を試算する

借換えにかかるコストは一般的に残高の1〜2%程度(40〜80万円)が目安です。この費用を回収できるだけの金利差が生まれるか、シミュレーションが必要です。複数の金融機関のローンシミュレーターを使い、3パターン以上で比較することを推奨します。

Step 3:現在の変動金利と固定金利の差(スプレッド)を確認する

2026年7月時点では変動0.6%・固定2.0%のケースで差は1.4%。この差が埋まるほど変動が上昇するシナリオをどれだけリアルに想定するかが判断軸です。

Step 4:固定への乗り換えより「繰り上げ返済を増やす」という選択肢も検討する

元本を減らせば将来の金利上昇リスクの絶対額が下がります。借換えの手間と費用をかけずに、繰り上げ返済で残高を圧縮するアプローチも有力な選択肢です。

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サマリーポイント - 借換えは残高1,000万円以上・残期間10年以上が効果が出やすい目安 - 諸費用1〜2%を回収できる金利差があるかをシミュレーションで確認 - 借換えより繰り上げ返済で元本圧縮という選択肢も合わせて検討する


FIRE・資産形成との両立視点――ローンと投資の優先順位

最後に、FIRE志向の読者に向けた視点を加えます。住宅ローンは「確実な利回りの逆」として機能します。変動0.6%のローンを繰り上げ返済するのは「0.6%の確定利回りを得る行為」です。

一方、長期インデックス投資の期待リターンは年率4〜6%程度(過去実績ベース。将来を保証するものではありません)。金利が低い状況では「繰り上げ返済より投資を優先する」ほうが数字上は合理的に見えます。

ただし、以下の点を忘れないでください:

実際のバランスの一例として:「毎月のキャッシュフローの50%をNISA・iDeCoに回し、残り50%でローン残高の繰り上げ原資を積み立てる」というアプローチは、リスク分散と資産形成を両立しやすい設計です。

NISAとiDeCoの使い分けを整理する記事はこちら

サマリーポイント - 変動低金利局面では「繰り上げ返済より投資」が数字上は合理的に見えるが確定リターンではない - キャッシュフローの一部をローン原資・残りを投資に分ける並走アプローチが現実的 - 精神的なストレスも「コスト」として判断に織り込んでよい


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Misakiからのひとこと(CTA)

住宅ローンは「正解を当てる」ゲームではなく「自分が引き受けられるリスクの範囲内で最適解を選ぶ」プロセスです。変動・固定どちらにしても、選んだ後に「モニタリングを続けること」と「繰り上げ原資を積み立て続けること」が最大のリスクヘッジになります。

まず一つだけやるとしたら、今の残高と月々の返済額をスプレッドシートに入力して、「金利が0.5%・1%・1.5%上昇したとき月々いくら増えるか」を計算してみてください。数字を見ると、不安が「具体的な課題」に変わります。

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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・ローンの契約を推奨するものではありません。金利・条件は執筆時点の参考値であり、最新情報は各金融機関にてご確認ください。