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住宅ローン 変動 vs 固定 2026 金利上昇局面

2026年5月24日 ・ 複利コンパス編集部

資産形成・家計改善・お金の学びノート

※本記事には広告が含まれます。

2024年末から始まった日銀の利上げサイクルは、2026年に入ってもじわじわと続いている。「変動金利で借りたけど、もう固定に切り替えたほうがいい?」「これから買う人は最初から固定一択?」——そんな相談を、ここ半年で驚くほど多く受けるようになった。感情ではなく、数字と構造で考えれば答えはシンプルになる。このまま一緒に整理してみよう。


2026年の金利環境:何がどこまで上がったのか

まず現状認識から始めよう。日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、その後段階的に政策金利を引き上げてきた。2026年5月時点で短期政策金利は0.75%前後で推移しており、住宅ローンの変動金利(店頭表示基準)も2023年比で0.5〜0.7%程度上昇している銀行が多い。

ネット銀行や大手メガバンクの変動金利(適用後)は現在0.4〜0.8%台に分布している。一方、固定金利(10年・35年)は長期金利の上昇を受け、フラット35(買取型)では2.0〜2.3%前後まで上がってきた。

「まだ変動のほうが低い」は事実だが、ここで注意すべきは"今の数字"ではなく"これから35年間の期待値"をどう見るかだ。

サマリーポイント


変動 vs 固定:総返済額シミュレーションで見る差

数字で話そう。借入額3,000万円、返済期間35年、ボーナス払いなしのケースで試算する。

【ケース①:変動金利スタート0.6%、金利変化なし】 - 月返済額:約7.9万円 - 総返済額:約3,318万円

【ケース②:変動金利スタート0.6%、5年後に1.2%、10年後に1.8%に上昇】 - 月返済額(10年後以降):約9.6万円前後に上昇 - 総返済額:約3,620万円前後(シナリオにより変動)

【ケース③:フラット35(固定2.2%)で借り入れ】 - 月返済額:約10.2万円(固定) - 総返済額:約4,284万円

この3つを並べると「変動有利」に見えるが、ケース②とケース③の差は約660万円。これは金利が0.6%→1.8%に上がったシナリオ。もし2.5%超まで上昇すると、差はさらに縮まる。

Misaki の一言 私が面白いと思うのは、変動を選んだ人の多くが「金利が上がったら繰り上げ返済する」と言う点。でも実際には、金利上昇局面は景気上昇局面と重なるとは限らない。2026年は物価高・賃金上昇が一部にとどまっており、家計の余力が増えていない世帯も多い。「繰り上げ余力」は仮定ではなく実績ベースで考えたい。

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変動金利の「125%ルール」と未払い利息リスクを理解する

変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みが存在する(金融機関により異なる)。

一見やさしい仕組みに見えるが、金利上昇分が返済額に反映されない期間は「未払い利息」として積み上がる可能性がある。元本が減らないまま利息だけが増える構造だ。

2023〜2024年のように緩やかな上昇ならまだ影響は小さいが、2〜3%台まで急上昇した場合、返済期間の後半に残債がほとんど減っていないという事態になりうる。

チェックすべき点は3つ。 1. 自分の契約に5年ルール・125%ルールが適用されているか(ネット銀行系は適用なしのケースも) 2. 金利上昇時に月返済額が上がる場合、家計のバッファ(手取りの10〜15%を目安)はあるか 3. 固定期間選択型(3年固定・10年固定等)は"固定期間終了後"の金利リセットリスクを把握しているか

サマリーポイント


固定金利を選ぶ合理的な理由:リスク許容度とキャッシュフロー設計

「固定は損」という言説が根強いが、これは低金利時代の常識が刷り込まれたものだ。固定金利の本質的な価値は「月々の返済額が確定すること」にある。

FIRE志向・長期資産形成を考えるなら、住宅ローンは「生活費の固定費化」として機能する。月返済額が35年間変わらないなら、残りの可処分所得をNISAやiDeCoに回す計画が立てやすい。

具体的に考えてみよう。

「この差額2.3万円を毎月NISAに積み立て、年率5%で35年運用したら?」という視点が FIRE 層らしい問いだ。

2.3万円 × 12ヶ月 × 35年、年率5%複利 ≒ 約2,340万円

変動で浮いた差額を確実に投資に回せるなら、変動有利のシナリオは成立する。問題は「確実に回せるか」だ。生活費の増加、育児・医療の突発出費、収入変動——これらを吸収しながら差額投資を続けられるか、そこが問われる。

Misaki の一言 私個人の話をすると、フリーランスという収入の変動がある立場だと、「月返済額が増えるかもしれない」という不確実性はかなりのストレスになる。サラリーマンで昇給が安定している人と、フリー・副業収入が混在する人とでは、固定金利の「心理的安心料」の価値が全然違う。数字だけでなく、自分のキャッシュフロー構造も設計に含めてほしい。

サマリーポイント


今から借りる人・借り換えを検討中の人への整理軸

ここまでの話を踏まえ、判断の軸を整理する。

① 今から新規借入する人

状況 傾向
収入が安定・昇給が見込める 変動も検討可。繰り上げ余力を確保できるか確認
フリーランス・副業収入が主 固定を基本に、家計バッファを厚くする
投資をすでに継続中で差額を確実に回せる 変動で浮いた分を投資に回す戦略も有効
返済期間が20年以内 変動のリスクが相対的に小さくなる

② 変動で借り中・借り換え検討の人

現状の残債・残期間・現在の変動金利水準を確認し、固定への借り換えコストと総返済差を試算する。一般的に、借り換えには事務手数料・印紙代・抵当権設定費用等で50〜100万円前後のコストがかかる。これを回収できる期間が残っているかが判断の分岐点だ。

残期間が10年を切っている場合、借り換えコスト回収が難しいケースが多い。残期間15〜25年で変動金利が今後1%超の上昇が見込まれるなら、借り換えシミュレーションをする価値はある。

住宅ローン比較・借り換えシミュレーションはこちら →

③ 変動・固定どちらでも共通の注意点

サマリーポイント


金利上昇局面を生き抜く「ローン × 資産形成」の設計思想

最後に、住宅ローンを家計全体の構造の中でどう位置づけるかという話をしたい。

住宅ローンは「負債」であり、同時に「固定費の最大項目」だ。FIRE や長期資産形成を目指すなら、ローンと投資を別々に考えるのではなく、「可処分所得の配分設計」として一体で見る視点が重要になる。

シンプルな原則を提示する。

3,000万円借入・月10万円返済なら、流動性資産の目安は600〜1,200万円。現実的に難しい水準に見えるかもしれないが、これは「借り過ぎ」のシグナルでもある。

金利が何%になろうと、最終的に住宅ローンを安全に返済できるかどうかは物件価格の選択と頭金設計で8割が決まる、というのが私の考え方だ。

NISA・iDeCoと住宅ローンの並走シミュレーション →

サマリーポイント


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Misaki's CTA:あなたに合う選択肢は、あなたのキャッシュフローの中にある

変動と固定、どちらが「正解」かは正直わからない。2026年の今、追加利上げがどこで止まるかを正確に予測できる人はいないし、私もそのひとりだ。

ただ、確実に言えることがある。「どちらが得か」より「どちらなら35年間、投資と並走しながら返済を続けられるか」という問いのほうが、長期視点では重要だ。

まずは自分の月手取り・固定費・投資積立額を1枚の紙に書き出してみてほしい。住宅ローンの選択肢は、その数字の中からしか選べない。

比較シミュレーションを使って、今の自分の選択肢を一度整理してみるところから始めてみよう。

住宅ローン比較・シミュレーションで自分の数字を確認する →


本記事の数値はシミュレーションであり、実際の返済額・金利は金融機関・審査状況により異なります。個別の借り入れ判断は、ファイナンシャルプランナー等の専門家への相談も検討してください。