FIRE(Financial Independence, Retire Early=経済的自立と早期リタイア)を語る上で必ず登場する「4%ルール」。
「年間支出の25倍の資産があれば、運用しながら生涯お金は尽きない」――この一見シンプルなルールには、実は数十年に渡る米国の研究データが裏付けにあります。
本記事では、4%ルールの起源から具体的な計算方法、そして「日本で適用する際の注意点」まで、徹底解説します。
4%ルールとは、「リタイア時の資産の4%を毎年取り崩していけば、30年間以上資産が枯渇しない確率が高い」という研究結果から生まれた経験則です。
逆に言えば、「年間支出の25倍の資産」があれば、その資産を年4%で運用しながら毎年4%(=年間支出分)を取り崩しても、原則として元本は減らずに済むという考え方です。
これは、米国の歴史的な株式・債券の平均リターンから導き出された数字です。
つまり、インフレを考慮した実質リターン分だけ取り崩せば、元本価値は維持できる、という理屈です。
4%ルールの根拠となっているのが、1998年に米国Trinity大学の3人の教授(Cooley, Hubbard, Walz)が発表した「Trinity Study」です。
この研究では、1926年〜1995年の米国株式・債券のヒストリカルデータを使い、以下の結論を出しました:
株式50%・債券50%のポートフォリオで、毎年資産の4%を取り崩した場合、30年間で資産が枯渇しない確率は95%。
つまり、20回中19回はうまくいく、ということ。これがFIREムーブメントの理論的な基礎になりました。
あなたの生活費レベル別に、FIRE達成に必要な資産額を計算してみました。
| 月生活費 | 年間支出 | FIRE必要資産(25倍) |
|---|---|---|
| 15万円(質素) | 180万円 | 4,500万円 |
| 20万円(標準的) | 240万円 | 6,000万円 |
| 25万円(やや余裕) | 300万円 | 7,500万円 |
| 30万円(ゆとり) | 360万円 | 9,000万円 |
| 40万円(リッチ) | 480万円 | 1.2億円 |
多くのFIRE実現者は月20〜25万円の生活を目指しているため、6,000〜7,500万円が現実的な目標と言えます。
4%ルールは強力な指標ですが、そのまま日本に適用するには注意が必要です。
Trinity Studyは米国市場のデータです。日本の場合:
解決策:全世界株式・米国株式インデックスを中心に運用することで、米国データに近い結果を得られる。
4%ルールは「平均的な相場」を前提にしていますが、リーマンショック級の暴落が連続すると、たとえ4%取り崩しでも資産が大きく目減りします。
解決策:3.5%ルールに保守化する、またはリタイア初期は取り崩しを抑える「ガードレール戦略」を採用。
Trinity Studyは「30年間」が前提。30代でFIREすると60年以上の運用期間になり、4%でも枯渇リスクが高まります。
解決策:3〜3.5%に保守化、または副業収入で取り崩しを減らす「サイドFIRE」を検討。
日本では、運用益に約20.315%の税金(NISA等の非課税口座を除く)と、リタイア後の国民健康保険料が発生します。
解決策:新NISA・iDeCoの非課税枠を最大限活用。
「自分の場合いつFIREできるのか?」を確率付きで知りたい方は、当サイトのFIREシミュレーターで試算してみてください。