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モンテカルロ法を使った投資シミュレーションのススメ|単純複利では見えない真実

2026年5月5日 ・ 複利コンパス編集部

「年利5%で30年運用したら○○円になる」――そんな単純な複利計算で資産プランを立てていませんか?

実はその計算、大事な情報を隠しています。それは「リスク」、つまり「悪いシナリオで資産がいくらになるか」という視点です。

本記事では、プロのファイナンシャル・プランナーやヘッジファンドが使う「モンテカルロ法」を、個人投資家向けにわかりやすく解説します。

1. 単純複利計算の限界

「月3万円を年利5%で20年運用する」という単純計算をすると、答えは約1,233万円です。

でも、これは「毎年きっちり5%増える」という非現実的な前提に基づいています。

1年目: +5% ✓
2年目: +5% ✓
3年目: +5% ✓
...
20年目: +5% ✓
→ 1,233万円

現実の市場はこんな風に動きません。ある年は+30%、別の年は-25%といったように、大きく揺れます

2. モンテカルロ法とは?

モンテカルロ法とは、「サイコロを振って未来を1,000通り作り、その分布から確率を導き出す」計算手法です。

名前の由来は、ギャンブルの街「モナコ公国モンテカルロ」。ランダム性を扱う計算手法であることから、こう名付けられました。

具体的な仕組み

  1. 「平均5%・標準偏差12%の正規分布」のような確率分布を設定
  2. 毎年のリターンをこの分布からランダムに抽選(サイコロを振る感覚)
  3. 20年分繰り返して1パターンの未来を作る
  4. これを1,000回繰り返し、1,000通りの未来を集める
  5. 結果を「悲観10%/中央50%/楽観90%」で分類して可視化
パターン1: 1年目+30%, 2年目-15%, ... → 980万円
パターン2: 1年目-10%, 2年目+25%, ... → 1,420万円
パターン3: 1年目+5%, 2年目+8%, ... → 1,180万円
...
パターン1000: 1年目+12%, 2年目-3%, ... → 1,310万円

→ 中央値: 1,233万円
→ 悲観(10%): 720万円
→ 楽観(90%): 2,050万円
モンテカルロ法の「1,000通りの未来」 月3万・20年・期待5%・ボラ12% / うち10本のサンプルパス 2,000万 1,500万 1,000万 500万 0年 10年 20年 中央値 1,233万 同じ条件でも結果はバラつく → これがリスクの正体
図1: 同じ条件・同じ期間でも、運次第で資産は大きくバラつく

3. 単純計算とモンテカルロの違い(具体例)

同じ条件(月3万・20年・期待リターン5%・ボラティリティ12%)で計算した場合:

計算方法 資産額 解釈
単純複利 1,233万円 1本の線で予測
モンテカルロ:中央値 1,233万円 最も起こりやすい結果
モンテカルロ:悲観10% 720万円 不景気が続いた最悪に近いケース
モンテカルロ:楽観90% 2,050万円 幸運なケース

単純計算では「1,233万円」しか見えませんが、モンテカルロでは「720万円〜2,050万円という幅」が見えます。これが「リスクの可視化」です。

確率の「幅」で結果を表す 悲観p10〜楽観p90 帯(1,000通り中80%がこの範囲に着地) 2,000万 1,500万 1,000万 500万 0年 10年 20年 ← 単純複利は1本の線でしか見えない 楽観 2,050万 (p90) 中央値 1,233万 (p50) 悲観 720万 (p10) 同じ月3万円の積立でも、運次第で2.8倍の差が出る
図2: モンテカルロの真価=1本の線ではなく「幅」で未来を語れる

1,000通りの未来を3秒で可視化

複利コンパスのモンテカルロ計算は、トグル一つでON可能。あなたのリスクシナリオを今すぐ確認できます。

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4. なぜモンテカルロを使うべきか?

理由①:リスクが可視化される

単純計算では「1,233万円」しか見えないため、想定外の不景気が来た時に大きく動揺します。モンテカルロなら「最悪でも720万円は残る確率が高い」と事前にわかるため、心の準備ができます。

理由②:FIRE達成確率を計算できる

「FIRE目標額に到達する確率は何%?」を数字で知ることができます。確率80%なら堅実、50%なら危ういと、客観的な指標で判断可能。

理由③:プランの強度をテストできる

「リーマンショック級の暴落が来ても破綻しないか」「インフレ率が上がっても大丈夫か」を、シナリオごとに計算できます。これをストレステストと呼びます。

プロのFP(ファイナンシャルプランナー)は、有料相談でこのモンテカルロを使った試算を提供しています。複利コンパスはこの手法を無料で公開しています。

5. モンテカルロの注意点

注意①:あくまで確率論

「90%の確率で○○以上」は「100%確実」ではありません。10%の確率で外れる可能性は常にあります。

注意②:過去データが基準

計算に使う「平均リターン」「ボラティリティ」は過去データに基づいています。未来も同じとは限りません(金融危機・戦争・パンデミック等)。

注意③:ボラティリティ設定の重要性

同じ期待リターン5%でも、ボラティリティ6%(保守)と18%(積極)では結果分布が全く違います。自分のポートフォリオに合った値を使うことが大切です。

運用スタイル期待リターンボラティリティ
債券中心(保守)3%6%
株+債券バランス(標準)5%12%
全世界株100%(積極)7%18%

6. まとめ

  1. 単純複利計算は「1本の線」しか描けないため、リスクが見えない
  2. モンテカルロ法は「1,000通りの未来」を確率で示す
  3. FIRE達成確率・破綻リスク・楽観/悲観シナリオが数字でわかる
  4. 無料で使えるツール(複利コンパス等)で簡単に試せる

「年利5%で○○万円」という単純予測の時代は終わりつつあります。これからは「確率で資産形成を語る」時代。一度モンテカルロを使うと、もう単純計算には戻れません。

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